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空き家の瓦やブロック塀、庭木が隣や道に被害を出したとき:民法717条で、誰が責任を負うか

遠くの空き家の屋根の瓦が飛んだ、ブロック塀が倒れた、庭木の枝が隣に落ちた。そんなとき、持ち主はどんな責任を負うのかを、民法717条の原文で確かめてまとめました。空き家の管理を考える理由のひとつです。

先に結論から

  • 民法717条は、建物や塀などの設置・保存に不備(瑕疵)があって他人に損害が出たとき、まず占有者が賠償する責任を負うと定めている。占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償しなければならない
  • 庭木などの竹木の植え方・支え方に不備がある場合も、同じ考え方が使われる(717条2項)
  • 損害の原因を作った別の人がいるときは、賠償した占有者または所有者が、その人に請求できる(求償権、717条3項)

空き家は、人が住んでいないぶん、傷みに気づきにくくなります。屋根の瓦がずれる、ブロック塀が傾く、庭木の枝が伸びる。それが隣の家や道を通る人に被害を出したとき、持ち主はどんな責任を負うのでしょうか。

民法717条の原文で確かめました(e-Gov 法令検索、確認日 2026-11-03)。

条文の中身

民法717条1項は、次のように定めています。

土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

分かりやすく分けると、次のとおりです。

言葉意味
土地の工作物建物、ブロック塀、擁壁など、土地につくられたもの
設置又は保存に瑕疵がある作り方や、傷んだまま放っておくことなど、安全なはずの状態になっていない
占有者その工作物を実際に使い、管理している人
所有者その工作物の持ち主

順番:まず占有者が賠償する責任を負います。ただし、占有者が、損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償しなければなりません。

庭木にも同じ考え方が使われる

717条2項は、竹木の植え方や支え方に不備がある場合にも、1項の考え方を使うと定めています。庭木が倒れる、大きな枝が折れて隣や道に落ちる、といった場合です。

原因を作った人がいるとき

717条3項は、損害の原因について、ほかにも責任を負う人がいるときは、賠償した占有者や所有者が、その人に求償(支払ったお金の請求)できると定めています。たとえば、工事をした業者に不備があった場合などが考えられます。

空き家の持ち主として、考えておくこと

このサイトの整理です。条文の細かい当てはめは、個別の事情で変わるので、弁護士などの専門家に確かめてください。

管理の費用を、先に見ておく

傷みを見つけたあとの解体や補修の補助は、市区町村ごとに違います(解体の補助を比べる)。補助の受付が短い期間しかない市もあるので、早めに見ておきます。

よく聞かれること

空き家の瓦が飛んで、隣の車を傷つけたら、誰が払いますか?
民法717条の考え方では、まず占有者が責任を負い、占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償します。誰が占有者に当たるかは事情によるので、個別のことは専門家に確かめてください。
管理を業者に頼めば、持ち主の責任はなくなりますか?
条文には、業者に頼めば所有者の責任がなくなる、とは書かれていません。見回りの中身や、事故のときの責任の分け方は、契約の前に確かめます。
空き家の損害に備える保険はありますか?
このページでは確かめていません。保険会社に、空き家が対象になるかを確かめてください。

出典

確認日:2026-11-03