先に結論から
- 親が施設に入ると、実家は「まだ親の家」のまま空き家になる。管理を止めないことが先
- 亡くなったあとに売る場合、施設に入る前の家でも、条件を満たせば3,000万円控除の対象になる(国税庁 No.3307)
- 施設に入ったあとに家を貸すと、その特例が使えなくなることがある
親が老人ホームや介護施設に入ると、実家は空き家になります。ただ、家はまだ親のものなので、子どもが勝手に売ったり貸したりはできません。それでも家は、人が住まなくなった日から傷み始めます。
まずやること:管理を止めない
人が住まなくなった家は、換気をしないとカビや傷みが早く進みます。
- 月に1回は換気・通水・ポストの整理をする(自分で管理するときの最低限)
- 通えないなら、管理の業者に頼む
- 電気・ガス・水道は、止めるか残すかを決める(換気や通水をするなら、水道と電気は残しておくことが多い)
貸す・売るの前に知っておきたい税金の特例
親が亡くなったあとに実家を売るとき、相続した空き家の3,000万円控除という特例があります。親が施設に入っていた場合も、国税庁は一定の条件を満たせば、施設に入る直前まで住んでいた家を対象にしています(No.3307)。
主な条件は次のとおりです。
- 親が要介護認定または要支援認定を受けて、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅などに入っていたこと
- 施設に入ったあとも、亡くなる直前まで、家が親の物の置き場などに使われていたこと
- その間に、事業・貸付・ほかの人の住まいに使っていなかったこと
つまり、施設に入ったあとに実家を貸すと、この特例が使えなくなることがあります。家賃が入るのは魅力ですが、亡くなったあとに売る可能性があるなら、貸す前に税理士や税務署に確かめてください。特例のくわしい条件は3,000万円控除の記事にまとめています。
家族で先に話しておきたいこと
| 話すこと | なぜ |
|---|---|
| 実家をこの先どうしたいか(親の気持ち) | 親が元気なうちに聞いておくと、あとで家族がもめにくい |
| 家の名義、権利証・通帳などの書類の場所 | 相続登記や手続きに要る |
| 管理を誰がするか、費用を誰が出すか | 兄弟で負担が偏ると、もめごとのもとになる |
| 施設の費用をどうまかなうか | 実家を売る・貸すでまかなうなら、税金の特例との関係を先に確かめる |
よく聞かれること
- 親が施設に入っている間に、子どもが実家を売れますか?
- 家は親のものなので、売るのは親(名義の人)です。子どもが勝手に売ることはできません。親の判断が難しいときの手続きは、専門家に相談してください。
- 親が施設に入っていた家でも、3,000万円控除は使えますか?
- 親が要介護認定などを受けて施設に入り、入ったあとも家が貸付などに使われていなかったなど、一定の条件を満たせば対象になります(国税庁 No.3307)。
- 施設に入ったあと、実家を貸してもいいですか?
- 貸すことはできますが、亡くなったあとに売るときの3,000万円控除が使えなくなることがあります。貸す前に税理士や税務署に確かめてください。