実家のこれから / コラム / 比べて決める

実家が空き家になったら火災保険はどうする?保険会社への連絡、通知しないとどうなるか、相続・売却・解体のときの手続き

実家に住む人がいなくなったとき、火災保険は自動では守ってくれません。損害保険協会の標準例にある「通知事項」、居住の用に供されなくなったときの扱い、通知を怠ると契約解除や保険金が出ないことがあること、相続・売却・解体のときの手続き、契約を確かめる順番を整理しました。

先に結論から

  • 実家が空き家になったら、契約中の保険会社か代理店に連絡して、契約を続けられるか確かめる。損害保険協会の標準例は、建物が居住の用に供されるものでなくなった場合は、引き受けを続けられず、契約を解約または解除するとしている
  • 通知事項は、建物の構造・用法の変更、所在地の変更、増改築などで床面積が増減したとき。通知しないと、契約の解除や保険金が支払われないことがある
  • 相続で契約者が変わるとき、売却・譲渡のとき、住所が変わったときも、保険会社への連絡や手続きが要る
  • 実際の条件は保険会社と商品で違う。保険証券と約款を手元に置いて、保険会社に確かめる

親が亡くなる、または施設に入ると、実家は空き家になります。そのとき、多くの人が忘れるのが火災保険です。保険は、住んでいる前提で入っていることが多く、住む人がいなくなったあとも、そのまま守ってくれるとは限りません。

ここでは、日本損害保険協会(損保協会)が出している火災保険の標準例(2024年版)と、同協会の相談ガイドの案内で確かめた内容を整理しました(確認日 2026-11-03)。保険会社と商品によって条件は違うので、最後は、ご自分の保険証券と約款、保険会社への確認が必要です。

先に、押さえたいことを4つ挙げます。

  1. 実家が空き家になったら、保険会社か代理店に連絡する。
  2. 連絡せずにいると、契約が解除されたり、保険金が出なかったりすることがある。
  3. 契約者が亡くなったときも、相続の手続きが要る。
  4. 売る・壊すときは、保険の解約や変更も忘れずに。

空き家になったら、何が問題になるか

損保協会の標準例にある「通知事項」

損保協会の火災保険標準例(2024年版)は、契約のあとに次の事実が起きたら、遅滞なく取扱代理店か保険会社に通知するよう求めています。

そして、通知がないときは、「ご契約を解除し、保険金をお支払いできないことがあります」と注意しています。損保協会の相談ガイドも、通知しなかった事項と損害の間に一定の因果関係がないと認められる場合は、解除できないこともあるとしています。

「居住の用に供されるものでなくなった場合」

同じ標準例は、通知事項が発生して、次のいずれかに当たる場合は、引き受けを続けられないため、契約を解約するか、保険会社から解除するとしています。

この場合、保険会社が取り扱っているほかの商品で引き受けられるときは、いまの契約を解約したあとに、新しく契約できることがあります。ただし、補償内容が変わることがあります。

つまり、実家を空き家にして、人が住む見込みがなくなったら、「いまの契約のまま守られる」と思い込まず、保険会社に連絡して、契約を続けられるか、別の商品に切り替えるかを確かめます。

空き家でも「居住用建物」に含まれる場合

標準例は、保険の対象の「居住用建物」を、次のように説明しています。

建物の全部または一部で現実に世帯が生活を営んでいる建物。(略)常時居住の用に供しうる状態にある別荘(営業用を除きます。)、空家(売却用は除きます。)を含みます。

つまり、標準例では、空家(売却用は除く)も、居住用建物に含まれる扱いです。ただし、これは標準的な契約の考え方です。実際には、保険会社と商品ごとに、空き家の引受条件が違います。「空き家だから入れない」「空き家でも入れる」のどちらもありうるため、必ず保険会社に確かめます。

相続のとき:契約者が亡くなったら

契約者(保険を契約した親)が亡くなったときは、保険の契約も相続の対象になります。

損保協会の相談ガイドは、契約上の権利や義務を別の人に移す場合(相続など)は、事前に保険会社に申し出て、承認を得る必要があるとしています。実家を相続する人が、保険の契約者も引き継ぐ形になります。

連絡のとき、次のものを手元に置くと進みます。

売る・貸す・壊すとき

状況保険でやること
売る(譲渡する)標準例は、建物などを売却・譲渡する場合は、契約内容の変更などが必要になるとして、直ちに通知を求めている。解約の時期は、売買の契約と引き渡しの日を伝えて、保険会社に確かめる
貸す建物の用法の変更に当たるか、保険会社に確かめる。貸すと3,000万円控除が使えなくなることもある(3,000万円控除)
壊す建物が無くなれば、建物の保険は不要になる。解約の手続きをする。解約返戻金は、契約の条件で決まる
管理を続ける空き家用の条件で、契約を続けられるか確かめる

標準例は、解約するときの返戻金について、契約時の条件により、保険期間のうち未経過だった期間の保険料を返還するとしています。ただし、原則として未経過期間分よりも少なくなることがあります。

地震保険は、別に確かめる

標準例では、地震保険の対象は「居住用建物」または「家財」で、これらに当たらない場合は、保険の対象にできないとされています。地震保険の保険金額は、主契約の保険金額の30%〜50%の範囲内です。

空き家になって主契約の扱いが変わると、地震保険の扱いも変わることがあります。火災保険と一緒に、保険会社に確かめてください。

保険の確かめ方:順番

  1. 保険証券を探す:実家の書類、通帳の引き落とし記録、保険会社からの郵便物から探す。見つからないときは、保険会社の問い合わせ窓口か、代理店に聞く
  2. 契約者・保険期間・補償を確かめる:誰が契約者か、いつまで有効か、火災・風災・水災の補償はあるか
  3. 保険会社に連絡する:「実家が空き家になった(なる予定)」と伝える
  4. 条件を聞く:いまの契約を続けられるか、保険料はどうなるか、補償は変わるか、別の商品が必要か
  5. 書面で残す:聞いたことの日付と相手の名前をメモする。変更の書類は保管する
  6. 相続の手続きをする:契約者の変更
  7. 管理の記録を残す:空き家の火災や台風の被害に備えて、定期的な写真や管理の記録を残す(管理を頼む先の選び方)

保険に入っていても、管理は必要です

保険は、被害の金銭的な負担を軽くするものです。火災や飛来物による被害そのものを防ぐものではありません。

よく聞かれること

実家が空き家になっても、いまの火災保険はそのまま使えますか?
そのまま使えるとは限りません。損保協会の標準例は、建物が居住の用に供されるものでなくなった場合は、引き受けを続けられないため、契約を解約するか、保険会社が解除するとしています。保険会社に連絡して、契約を続けられるかを確かめてください。
保険会社に連絡しないと、どうなりますか?
通知が必要な事実を知らせなかった場合、契約を解除されたり、保険金が支払われなかったりすることがあります。ただし、知らせなかった事実と損害に関係がないと認められる場合は、解除されないこともあります(損保協会の相談ガイド)。
空き家でも、火災保険に入れますか?
標準例は、「空家(売却用は除きます)」も居住用建物に含めています。ただし、実際の引受条件は、保険会社と商品で違います。引受の条件は保険会社ごとに違うので、保険会社に確かめてください。
親が亡くなりました。保険の契約者は誰になりますか?
契約者の権利や義務を別の人に移す場合(相続など)は、事前に保険会社に申し出て、承認を得る必要があります。手続きの中身は、保険会社に確かめてください。
実家を売るとき、火災保険はどうしますか?
建物を売却・譲渡するときは、契約内容の変更などが必要になるので、保険会社に通知します。解約の時期と、解約返戻金は、契約の条件で決まるので、保険会社に確かめてください。
家を解体したら、保険はどうなりますか?
建物が無くなれば、建物の火災保険は必要ありません。保険会社に連絡して解約します。解約返戻金は、契約の条件で決まります。

出典

確認日:2026-11-03

※個別の契約は、契約中の保険会社・代理店に確かめてください。この記事は保険の勧誘や、特定の商品の推奨ではありません。

LINE で相談する(無料)