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遠くの実家の草刈り・庭木の手入れを頼む先:シルバー人材センター・造園業者・管理会社の違いと、頼む前に確かめること

空き家の庭は、草や枝が伸びて、隣や道にはみ出し、苦情のもとになります。放置したときの責任(民法717条・233条)、頼む先3種類の違い、剪定した枝の処分、見積もりの確かめ方、越境した枝の扱い、空き地の条例が空き家の庭に使えないことがある理由を、公的な案内で整理しました。

先に結論から

  • 空き家の庭の草や枝は、伸びると隣や道にはみ出し、苦情や被害のもとになる。庭木の植え方や支え方に不備があって他人に損害が出たら、占有者、次に所有者が賠償する責任を負う(民法717条)
  • 頼む先は、市が案内するシルバー人材センター、造園・剪定業者、空き家の管理会社の3種類。草刈りだけか、高木の剪定や伐採もか、刈った草や枝の処分まで含むかで選ぶ
  • 空き地の雑草の条例は「現に人が使っていない土地」が対象で、空き家の庭は対象外の自治体がある(東京都北区など)。空き家の窓口に相談する
  • 越境してきた隣の枝は、催告しても切られない、持ち主が分からない、急迫の事情があるときは、自分で切り取れる(民法233条)。切る前に専門家へ相談する

実家が空き家になって何か月かたつと、庭は一気に荒れます。草が背丈ほどに伸び、庭木の枝が隣の敷地や道にはみ出す。近所から連絡が来て初めて気づく、という話も珍しくありません。遠くに住んでいると、自分では刈れないのが悩みどころです。

ここでは、草刈りと庭木の手入れについて、頼む先と、頼む前に確かめることを整理しました。条文(e-Gov 法令検索)と自治体の案内で確かめた内容です(確認日 2026-11-03)。

放置すると、何が起きるか

苦情と、被害が出たときの責任

草や枝は、近所の迷惑になるだけでなく、被害のもとになります。民法第717条は、庭木などの竹木の植え方や支え方に不備(瑕疵)があって、他人に損害が出たときは、建物などと同じ考え方で、まず占有者、占有者が必要な注意をしていたときは所有者が賠償する責任を負うと定めています(第2項)。倒れかけた木、大きな枝の落下、枯れ木の倒れ込みなどが当たります。

くわしくは、空き家の瓦やブロック塀、庭木が被害を出したときにまとめています。

管理が行き届かないと、指導・勧告も

空き家の所有者には、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、適切に管理する努力義務があります(空家法第5条)。草木が茂ったままで、市区町村から勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減が外れることがあります(管理不全空家とは、空き家の固定資産税)。

頼む先は3種類

頼む先向いている作業確かめること
シルバー人材センター草取り、低い木の剪定、庭の清掃。市が協定を結んで案内している市もある作業の範囲(高い木や伐採を受けるか)、順番待ち、料金、報告の形
造園・剪定業者高い木の剪定、伐採、庭木の移植・撤去見積書、処分まで含むか、高所作業の安全、保険
空き家の管理会社見回りと一緒に、簡単な草むしりや枝の確認草刈り・剪定は別料金のことが多い。作業の範囲

シルバー人材センターを市が案内している例

市の空き家のページで、シルバー人材センターを案内している市があります(見回りを頼む先を比べる)。

自治体によっては、遠方の持ち主が頼める除草の事業を設けているところもあります(たとえば東京都北区の有料の草刈りサービス。ただし対象は低木までなど、条件がある)。実家のある市区町村の空き家の窓口に、まず聞くのが確実です(市区町村から探す)。

頼む前に確かめること

  1. どこまでやるか:草刈りだけか、低木の剪定か、高木の剪定・伐採か。作業の範囲は、見積書に書いてもらう
  2. 刈った草や枝の処分:作業のあとに持ち帰るのか、敷地に積んでおくのか。処分の費用は含まれるか
  3. 回数:1回だけか、年に何回か。草は季節で伸びるので、年に複数回が必要なことが多い
  4. 報告:作業前後の写真を送ってもらえるか(遠方なら必須)
  5. 境界:隣の土地との境の木の扱い(切ってよいか、隣に断りが要るか)
  6. 見積もり:2〜3か所から書面で。追加料金の条件も聞く

刈った草や剪定した枝の処分

事業者が庭の手入れで出した枝葉や刈り草は、自治体の案内(神戸市、水戸市、丹波市など)で、事業活動に伴う一般廃棄物(事業系一般廃棄物)として扱われています。地域のごみステーションには出せず、許可を持つ収集運搬業者に委託するか、自治体の施設に持ち込む形になります。扱いは自治体で違い、工事に伴う枝葉は産業廃棄物とする自治体もあるため、業者に「処分まで含むか」「どこへ処分するか」を聞いてください。

その場で契約しない

国民生活センターは、不用品回収などの作業サービスで、見積もりのために呼んだ業者にその場で契約を急かされる、広告と違う高額な料金を請求される、といった相談への注意を呼びかけています。庭の手入れでも、同じ点に気をつけてください。

片付け・遺品整理の業者の選び方でも、見積もりと追加料金の注意をまとめています。

空き地の条例は、空き家の庭に使えないことがある

多くの自治体に、空き地の雑草の管理を所有者に求める条例があります。ただし、条例の対象が「現に人の使用していない土地」の自治体では、空き家が建つ敷地の庭は対象外のことがあります。

東京都北区は、空き地の条例は空き家の庭を対象にせず、空き家の庭の相談は住宅課に案内しています。また、樹木の相談は低木だけ、としています。

つまり、実家の庭の草木のことで相談するときは、「空き地」の窓口ではなく、空き家の窓口に聞くほうが話が早いことがあります。自治体によって担当課が違うため、実家のある市区町村の空き家の窓口に、まず電話してください。

近所から連絡が来たら

隣の木の枝が、実家の敷地に越境してきたら

空き家の持ち主は、草木を出す側だけでなく、隣の木が越境される側にもなります。民法第233条は、次のように定めています。

2023年4月1日の民法の改正で、枝の切り取りの要件が整えられました。ただし、習志野市は、切りすぎによるトラブルを避けるため、切る前に法律事務所などに相談するよう勧めています。まず催告し、記録を残し、必要なら専門家に相談するのが安全です。

自分で手入れするとき

通える距離なら、自分で刈ることもできます。

草刈りを、ほかの管理と一緒に頼む

草や木だけを別に頼むと、手間が増えます。空き家の管理を頼むときに、草木の確認と簡単な草むしりを一緒に頼む方法もあります(管理を頼む前に)。そのうえで、高木の剪定や伐採のように、規模が大きい作業だけ、造園業者に別に頼むと、整理しやすくなります。

よく聞かれること

空き家の草刈りは、誰に頼めばいいですか?
草取りや低い木の剪定ならシルバー人材センター、高い木の剪定や伐採なら造園・剪定業者、見回りと一緒に頼みたいなら空き家の管理会社が目安です。市が協定を結んでシルバー人材センターを案内している市もあります。
庭の木が隣にはみ出して、苦情が来ました。どうすればいいですか?
苦情の中身を確かめて、枝を切る、木を撤去するなどを、業者に頼みます。放置して倒れたり落ちたりして他人に損害が出ると、民法717条で賠償する責任を負うことがあります。
隣の木の枝が、うちの敷地にはみ出しています。勝手に切っていいですか?
原則は、竹木の所有者に切除させます。催告しても相当の期間内に切除されない、所有者が分からない、急迫の事情がある、のいずれかなら、自分で切り取れます(民法233条第3項)。切りすぎのトラブルを避けるため、切る前に専門家に相談してください。
剪定した枝は、ごみとして出せますか?
事業者が出した枝葉は、自治体の案内では事業系の一般廃棄物として扱われ、地域のごみステーションには出せません。処分まで含めて、見積もりで確かめてください。自分で出すときは、自治体の決まりに従います。
近所から市に連絡が入ったら、どうなりますか?
市は所有者を調べて、文書などで指導します。調べるのに日数がかかります。指導を受けたら、草木の管理を進めて、窓口に伝えてください。管理しないまま勧告を受けると、固定資産税の軽減が外れることがあります。
空き家の庭にも、空き地の条例は使われますか?
自治体によります。空き地の条例が「現に人が使っていない土地」を対象にしている自治体では、空き家の庭は対象外で、空き家の窓口が相談先になることがあります(東京都北区の例)。

出典

確認日:2026-11-03

※個別の判断は、実家のある市区町村の空き家の窓口、弁護士などに確かめてください。

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