先に結論から
- まず、起点の日を書く:亡くなった日(相続の開始日)、相続を知った日、実家を建てた年。期限は、この3つで決まる。自分の日付で期限を出すなら、期限カレンダーが使える
- 1週目:鍵と書類の場所、火災保険の会社に連絡(通知しないと契約が解除されたり保険金が出なかったりすることがある)、近所への連絡、実家の物をまだ処分しない(放棄できなくなることがある)
- 2週目まで:登記簿で名義を確かめる、相続放棄をするか決める(知った時から3か月)、市区町村の空き家の窓口に電話、草木の確認
- 3〜4週目まで:管理の方針、相続登記の準備(3年以内。2024年4月より前なら2027年3月31日まで)、売るなら特例を確かめる、家族で話す
親が亡くなった、または施設に入って、遠くの実家が空き家になった。やることが多すぎて、どこから手をつければよいか分からない。そんなときの、最初の1か月のチェックリストです。
それぞれの項目は、法務省・国税庁・自治体などの原文で確かめた記事に、リンクしています。全部を1か月で終える必要はありません。期限のあるものと、傷みを防ぐものから、先に手をつけます。
まず、起点の日を書いておく
期限は、次の3つの日で決まります。先に、メモしておきます。
- □ 親が亡くなった日(相続の開始日): 年 月 日
- □ 実家を相続すると知った日: 年 月 日
- □ 実家の建物を建てた年: 年(昭和56年5月31日以前か)
自分の日付で期限を出すなら、実家の期限カレンダーが使えます(入れた日付は、送信されません)。
最初の1週間
- □ 実家の鍵と、書類の場所を確かめる:鍵は誰が持っているか。通帳・権利証・保険の証券・固定資産税の通知書は、どこにあるか
- □ 火災保険の会社に連絡する:「実家が空き家になった(なる予定)」と伝える。通知が必要な事実を知らせないと、契約が解除されたり、保険金が出なかったりすることがある(空き家の火災保険)
- □ 近所や自治会に、自分の連絡先を伝える:草や木、傷みのことで、すぐ連絡がもらえるようにする
- □ 実家の物は、まだ処分しない:相続放棄を考えているなら、特に。処分すると、相続を受け入れたものとみなされ、放棄できなくなることがある(相続放棄しても管理は続く?)
2週目まで
- □ 登記簿で、実家の名義を確かめる:法務局で登記事項証明書を取る。名義が祖父母や、すでに亡くなった親のままなら、先に、その名義人からの登記が要る(名義が亡くなった人のままのとき)
- □ 相続放棄をするか決める:相続を知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ
- □ 相続税がかかりそうか確かめる:申告と納税は、死亡を知った日の翌日から10か月以内。親が住んでいた家の土地は、条件を満たすと、評価額を減らせる特例がある(小規模宅地等の特例)
- □ 実家のある市区町村の、空き家の窓口に電話する:補助や空き家バンクの有無を聞く(市区町村から探す)
- □ 草や木が伸びていないか確かめる:近所から連絡が来ていないか。自分で行けないなら、頼む先を探す(草刈り・庭木の手入れを頼む先)
どこから手をつけるか迷ったら、LINE で相談(無料)もできます。
3〜4週目まで
- □ 管理の方針を決める:自分で見る(月1回の換気・通水・ポスト・外まわり)か、頼むか(管理を頼む先の選び方、市が案内している見回りの先)
- □ 相続登記の準備をする:戸籍を集める。相続を知った日から3年以内。2024年4月より前に相続を知った実家は、2027年3月31日まで。話し合いがまとまらないときは、相続人申告登記がある(相続登記の義務化)
- □ 売る可能性があるなら、特例を確かめる:昭和56年5月31日以前の建築なら3,000万円控除、相続税を払ったなら取得費加算、売値が500万円以下の土地なら100万円控除(3,000万円控除、取得費加算、100万円控除)
- □ 家族で、実家をどうするか話す:管理する・貸す・売る・解体する(4つの道を比べる)
- □ 片付けが要るなら、業者の選び方を先に読む(片付け・遺品整理)
忘れがちなこと
- 固定資産税は、毎年1月1日の状態で決まる。家を壊すなら、時期で翌年の税額が変わる(空き家の固定資産税)
- 名義が亡くなった人のままでも、固定資産税の通知は届く。1月1日に、実際に所有している人に課税される
- 管理が行き届かないと、市区町村から指導や勧告を受けることがある。勧告を受けると、土地の固定資産税の軽減が外れる(管理不全空家とは)
- 家を壊したら、1か月以内に建物滅失登記が要る(解体の前に)
- 登記のあとに引っ越したら、住所の変更登記が要る(2026年4月から義務。相続登記の記事)
- 建物がなく、売れない土地は、国に引き取ってもらう制度がある(相続土地国庫帰属制度)
期限の一覧
| 期限 | 中身 |
|---|---|
| 相続を知った時から3か月以内 | 相続放棄などの手続き |
| 死亡を知った日の翌日から10か月以内 | 相続税の申告と納税 |
| 相続を知った日から3年以内(2024年4月より前なら2027年3月31日まで) | 相続登記 |
| 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(かつ2027年12月31日まで) | 空き家の3,000万円控除で売る |
| 家を壊してから1か月以内 | 建物滅失登記 |
| 毎年1月1日 | 固定資産税の課税の基準日 |
よく聞かれること
- 全部を1か月でやらないといけませんか?
- いいえ。期限のあるもの(相続放棄の3か月、相続税の10か月)と、傷みを防ぐもの(火災保険、近所への連絡、草木)を、先にします。そのほかは、順番に進めます。
- 何から始めればいいか、分かりません。
- 「起点の日」を書いて、期限カレンダーで、自分の期限を出してください。そのあと、火災保険の会社に連絡するのが、最初の一歩です。
- 相続の手続きは、自分でできますか?
- 登記や税の手続きは、自分でもできますが、相続人が多い、名義が古い、争いがあるなどの場合は、司法書士や税理士に相談するのが確実です。各記事に、相談先を載せています。
出典
確認日:2026-11-04
このページの各項目は、リンク先の記事に、法務省・国税庁・e-Gov 法令検索・日本損害保険協会・各自治体の原文を、出典として載せています。
- No.4205 相続税の申告と納税(国税庁)(相続税の申告期限)
- 相続登記の申請義務化について(法務省)
※個別の判断は、家庭裁判所・法務局・税務署・専門家に確かめてください。